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プロジェクトマネジメント研修:課題用ストーリーテリング資料


 

ストーリー6:リスク管理

あなたはとある企業の情報システム部門に所属する担当者。企業の業務システムの刷新プロジェクトのプロジェクトマネジャーに任命された。所属企業では一定以上の規模のプロジェクトにはチェックゲートが設けることが定められている。チェックゲートを通過するには中間審議会に付議する必要があり、中間審議会には役員/本部長クラスの上層部が出席している。この審議会の目的は、プロジェクトの継続可否判断を下すことと設定されている。審議会で審議対象となる内容はプロジェクトの達成項目の最終的な達成に向けたリスクの精査。プロジェクトマネジャーはプロジェクトの未来を見通すことかつ目に見えない要素をリスクとして特定すること、そのリスクに対する対処方法を説明すること、その上でのリスク影響度の大小をプロジェクト達成項目ごとに評価することが求められる。

シーン1 リスクの洗い出しと特定
あなたは中間審議会に向けてリスクを書き出し、対処方法についてドキュメントにまとめた。ドキュメントについてはテンプレートが用意されており、そこに書き込めば良いという業務ルールになっている。あなたは作成したドキュメントを上司に報告し、アドバイスを仰いだ。
上司からのアドバイスは以下の通り。
「あなたのドキュメントには未来ではなく過去が記載されている。つまり潜在リスクに対しての言及が乏しい。これでは不確実性のコントロール、すなわちリスクマネジメントにならない。」
指摘を受けて見直したところ、既に検知された問題を解決できなかった場合にどのようなリスクに発展しうるか、という観点で書いていることが自覚できた。まだ起きていない問題が未来に起こるであろうと予想することはどのようにすればよいのだろうか、あなたはその思考方法の習得に迫られた。

シーン2 リスク対応
あなたは特定されたリスクに対する対応方針を考えている。
このプロジェクトでは途中でスコープと要件変更があったことを踏まえ、元の要件に基づく機能Aと追加要件に基づく機能Bそれぞれに潜在的なリスクがあると考えられる。
リスク回避を行うために再度スコープ変更に行うか、リスク影響を軽減する為の取り組みとして品質管理分析の為の工数を積む、リスクを転嫁する為に追加コストを支払ってベンダーの陣容を厚くするか、何も手を打たずにリスクを受容するか、これらの対応方法が考えられた。
あなたはこのプロジェクトの目的やステークホルダーへの影響、対応によって発生するコミュニケーションや新たなリスク、これらを総合的に勘案し、対応策を絞った上で上司に相談することとした。

その後、あなたは中間審議会での報告を終え、合意を得ることが出来た。特定したリスクが適切であったこと、リスクへの対応方針についても十分に考えを巡らせておけたことが評価された。審議会でのリスクの認識と対応策の合意を経て、これらリスクはあなたに降りかかったリスクから、企業経営の元に管理されたリスクとなった。

数か月後、あなたはプロジェクトを無事に終えた。
実際にプロジェクトの中では様々な問題が発生したが、それらはリスクマネジメントにてマネジメントされており経営合意のリスクとして許容された。
あなたのはたらきは不確実性の高まる昨今のIT開発における経営の悩みを助けるものであった。これによって経営からの信頼を勝ち取ることに成功し、優秀なプロジェクトマネジャーとして認識されるようになった。